AVCケーブルグランド標準品の樹脂部材質は66ナイロン(UL94V-2)です。
今回、新たに樹脂部のみV0:66ナイロン(UL94V-0)を使用した製品を商品ラインナップに追加しました。
難燃ケーブルグランド(V0F1シリーズ)
現在AVC標準タイプを使用中で、難燃グレードをより高くしたい!
難燃V0シリーズ(オールV0材料)を検討したがコストUPが大きい!
👉️ V0F1シリーズがちょうどいいかも!
- ハウジング(樹脂部)の難燃グレードがUL94V-0にUP
- ゴム部は標準と同じEPDMを使用し、今まで通り安定した防水性・保持力を発揮
- 適合電線サイズもワイドレンジで使い勝手が良い
- コストはUPするが、難燃V0シリーズ程ではない
表にまとめると・・・
シリーズ | 【標準シリーズ】 | 【難燃V0F1シリーズ】 | 【難燃V-0シリーズ】 | ||||||
材質/樹脂部 |
66ナイロン |
66ナイロン (UL94V-0) |
66ナイロン (UL94V-0) |
||||||
材質/ゴム部 | EPDM | EPDM | シリコーン (UL94V-0相当) |
||||||
適合電線径 | ワイドレンジ対応 | ワイドレンジ対応 | 狭い | ||||||
コスト | 低 | 中 | 高 |
V0F1とは...
V0=UL94(難燃性の規格)
F1=UL746C(電気機器用途評価の規格)
共にUL規格のグレードを表しています。
『UL746C』、、、余り馴染みのない規格ですが、屋外使用に適した材料かを評価するための規格です。
この規格では紫外線暴露試験と温水浸漬試験を行い、両方の試験で大きな変化がない材料をf1グレードとし、一方の試験のみをクリアした材料をf2グレードとしています。
尚、AVCケーブルグランドは標準シリーズ(66ナイロンUL94V-2)・難燃シリーズ(66ナイロン/UL94V-0)共にUL746C規格におけるf1グレードの材料を使用しています。
V0とV2の違い
- V-0は接炎後、燃焼時間が10秒以下で自己消火、滴下物が無い
- V-2は接炎後、燃焼時間が30秒以下で自己消火、滴下物がある
どちらも炎など熱源から離れると自己消火します。しかし、その消火までの時間や滴下物の有無など、詳細な特性にV0とV2で違いがあります。
標準品とゴム部を含むオールV0品となりますが、過去に検証動画をUPしてます。
オールV0品とV0F1品の違い
オールV0品=ゴム部:シリコーン(UL94V-0) (白褐色)
難燃用シリコーンゴムは脆いため、頻繁な組み立て作業や過度な締め付けに注意が必要です。また、適応電線サイズが限定されているため、標準品に比べてレンジが狭く、使用や選定時に注意が必要です。
V0F1品=ゴム部:EPDM (黒色)
EPDMゴムは非難燃性ですが、ケーブルグランドのゴム部に対する割合は2~3割程度となり、燃え続けることはありません。
※樹脂部は共通で66ナイロン(UL94V-0)です。
V0F1品のメリット
V0F1品は標準品のワイドレンジを活かしつつ、難燃性能に優れるという強みがあります。
標準品に比べて価格は高いものの、オールV0品に比べてコスト効率が良いため、経済的な観点からもメリットがあります。今後は標準在庫品として運用予定です。
※注意事項
『総合カタログ Editon.6』紙ベースのカタログページにはPAV0で品番表記しておりますが、正しくはV0F1です。電子カタログ・PDFデータは訂正済です。
価格比較(標準品/V0F1/オールV0)
品番サイズにより多少の差はありますが、標準品100とした場合、V0F1品150%、オールV0品200%となります。
まとめ
北米や欧州向けの製品展開を行うユーザー様からは、主にV0の難燃性を要求される傾向にあります。またケーブルグランドの使用はまだ一般的ではありませんが、家電製品にもV-0以上の難燃性が求められることが多いようです。
さらに最近では新たに大口径サイズのV0F1製品がUL認証を取得しました。これらはEV急速充電器での使用が見込まれており、認証登録が行われました。これらの製品は火災のリスクを最小限に抑えるために重要な役割を担います。
備えあれば憂いなし!
事前の準備は万全を期すものです。難燃ケーブルグランドをご使用いただければ、仮に炎が移っても自然消火により燃え続けることは避けられます。
標準の樹脂部UL94V-2製品でも消火は可能ですが、難燃ケーブルグランド(V0F1/オールV0)を使用すれば、より迅速に消火できます。
最も優れた難燃性をお求めの場合は『UL94 5VA』材を使用したケーブルグランドも特注にて対応可能です。ご不明な点は何なりとお問合せください。