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ケーブルグランドの取付ピッチ。計算式で導く失敗しない最適クリアランス❗️

はじめに:取付ピッチに「正解」はない。でも「最適解」はある!

ケーブルグランドのネジサイズ(Mネジ、Gネジなど)は規格で決まっていますが、複数のグランドを取り付ける際の「ピッチ(間隔)」については、JISなどの公的な規格で定められておりません。

そのため、盤の設計者が作業性や安全性を考慮して決定する必要があります。
ピッチが狭すぎると、
「工具が入らず、うまく締め付けられない!」
「メンテナンスの時に、作業がものすごく大変…」
といったトラブルの原因になります。

この記事では、安全で作業しやすい「推奨取付ピッチ」を誰でも簡単に計算できる方法を、具体例とともに分かりやすく解説します。

 

 

 

ピッチ決定で考慮すべき事項

  • 物理的な干渉として、隣り合うケーブルグランドの最も大きい部分が接触しない距離を確保する
  • 作業スペースとして、 取り付けや増し締めの際に、スパナやレンチといった工具を無理なく使用できるスペースを確保することも重要
  • ケーブルの取り回しとして、使用するケーブルの太さや最小曲げ半径を考慮し、ケーブルに無理なく配線できるだけのスペースが必要
  • 筐体(パネル)の強度として、取付穴の間隔が近すぎるとパネルの強度が低下する恐れを考慮し、また防水・防塵性能を維持するためにも適切な間隔が必要

 

 

 

推奨ピッチの基本計算式

ここでは、「片方のケーブルグランドが既に取り付けられた状態で、隣にもう片方を取り付ける」という場面を想定します。

この時、専用工具(T-GSWシリーズ)を使っても物理的に干渉せず、かつ安全に作業できる推奨ピッチは、以下の基本式で計算できます。

 

  推奨ピッチ = ①計算上の最小ピッチ + ②作業クリアランス

 

それぞれの計算方法をステップごとに見ていきましょう。

 

 

ステップ1:①計算上の最小ピッチを求める

まず、工具とグランドが物理的に接触しない、ギリギリの最小値を計算します。

  計算上の最小ピッチ =(片方のグランドの半径)+(もう片方のグランドを締める工具の半径)

※半径 = 対角寸法 ÷ 2
※対角寸法とは、ロックナットや工具の最も大きい幅(外径)を指します。

 

【重要ポイント】

異なるサイズのグランドを隣接させる場合は、必ず以下の2パターンを計算し、大きい方の数値を採用してください。

パターンA: (グランド大の半径) + (グランド小を締める工具の半径)
パターンB: (グランド小の半径) + (グランド大を締める工具の半径)

小さい方の数値に合わせて設計してしまうと、工具を使う際に物理的に干渉し、締め付けられなくなるためです。

 

 

 

ステップ2:②作業クリアランス(余裕)を加える

次に、ステップ1で算出した最小値に、安全に作業するための「余裕」を加えます。

  推奨クリアランス:10mm程度(隣り合うロックナットの縁の間に、指が一本入るくらい)

この余裕があることで、工具の抜き差しがスムーズになり、メンテナンス性も格段に向上します。

 

 

 

具体的な計算例

それでは、実際に3つのパターンで計算してみましょう。

例A:同じサイズ(FGA21L-14B)を2個隣り合わせる場合

  • グランド半径15mm(対角30mm)
  • 専用工具(T-GSW-27)半径18mm(対角36mm)

  ① 最小ピッチ:15mm + 18mm = 33mm
  ② クリアランス:+ 10mm

    ⇒ 推奨ピッチ:33mm + 10mm = 43mm以上

 

 

例B:異なるサイズ(FGA21L-14B と FGA13-08B)を隣り合わせる場合

  • グランド中 (FGA21L-14B): 半径 15mm (対角30) / 工具 (T-GSW-27): 半径 18mm (対角36)
  • グランド小 (FGA13-08B): 半径 11mm (対角22) / 工具 (T-GSW-19): 半径 13mm (対角26)
  • パターンA(小を締める): (中グランド半径 15mm) + (小工具半径 13mm) = 28mm
  • パターンB(中を締める): (小グランド半径 11mm) + (中工具半径 18mm) = 29mm

 2つを比べ、数値の大きいパターンB(29mm)を最小ピッチとして採用します。

  ① 最小ピッチ:29mm
  ② クリアランス:+ 10mm

    ⇒ 推奨ピッチ:29mm + 10mm = 39mm以上

 

 

例C:異なるサイズ(FGA13-08B と FGA33-25B)を隣り合わせる場合

  • グランド小 (FGA13-08B): 半径 11mm (対角22) / 工具 (T-GSW-19): 半径 13mm (対角26)
  • グランド大 (FGA33-25B): 半径 24mm (対角47) / 工具 (T-GSW-42): 半径 27mm (対角54)
  • パターンA(大を締める): (小グランド半径 11mm) + (大工具半径 27mm) = 38mm
  • パターンB(小を締める): (大グランド半径 24mm) + (小工具半径 13mm) = 37mm

 2つを比べ、数値の大きいパターンA(38mm)を最小ピッチとして採用します。

  ① 最小ピッチ:38mm
  ② クリアランス:+ 10mm

   ⇒ 推奨ピッチ:38mm + 10mm = 48mm以上

 

※上記は一例として、小(FGA13-08B)・中(FGA21L-14B)・大(FGA33-25B)と表記しています。



 

数値一覧

ケーブルグランドソケットレンチ(T-GSWシリーズ)の半径を参考値として一覧にまとめました。あくまで目安ですが、ピッチサイズ選定の参考にお使いください。

※上記は小数点以下四捨五入したおおよその数値です。

 

ご使用になるケーブルグランドの品番がお決まりでしたら、カタログなどに記載の対角寸法をご確認の上、ご検討ください。品番により最大径となる箇所が異なる場合がありますのでご注意ください。

ケーブルグランド外形寸法一覧表はコチラより

 

 

 

まとめ

ご紹介した計算方法は、あくまで安全かつ効率的な作業を行うための推奨値です。

トルクレンチやモンキースパナなど別工具や手締めで施工される場合は、ご紹介した推奨ピッチでは狭いと感じることもあります。また隣り合っていても、他方にスペースがある場合はこの限りではありません。

取付ピッチに絶対的な「正解」はありません。
本記事でご紹介した内容を参考に、ぜひ皆様の現場に合った「最適解」を見つけていただければ幸いです。

 

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