難燃性とは
『なんねんせい』と読みます。変換するとまず「何年生」が出て来ますが、、、今回は難燃性・難燃グレードについてのご案内です。
漢字の通り、『燃えにくい』かどうかの性質を指し、度合いを「難燃グレード」で表します。「難燃グレード」はUL94規格で定められています。
UL94規格とは
まずUL規格とは、アメリカの製品安全認証機関(Underwriters Laboratories Inc)が策定する規格で、主に電気製品に対する安全規格です。
その中でUL94規格はプラスチック材料等の燃焼性試験で、材料の燃えにくさの度合い(グレード)を表す規格です。
難燃性が高い(燃えにくい)順に5VA>5VB>V-0>V-1>V-2>HBとなります。
UL94 HB
- 自己消火性は無いが、遅燃性がある
UL94 V-0,V-1,V-2
- V-0は接炎後、燃焼時間が10秒以下で自己消火、滴下物が無い
- V-1は接炎後、燃焼時間が30秒以下で自己消火、滴下物が無い
- V-2は接炎後、燃焼時間が30秒以下で自己消火、滴下物がある
UL94 5VA,5VB
- 5VAは5回接炎し、燃焼時間が60秒以下、燃焼穴が無い
- 5VBは5回接炎し、燃焼時間が60秒以下、燃焼穴が出る
燃焼テスト
UL規格の燃焼試験はいろいろと難しそうなので、、、
もっと単純にケーブルグランドを小型バーナーで燃やしてみました~🔥🔥🔥
標準品FGA21L-10B(左側)と難燃性FGA21L-10B-V0(右側)の比較です。
消火後は余り変わらないようにも見えますが、、、燃焼時間が明らかに違いました。当然、難燃V0製品は火の付きが遅く、簡単に燃え広がることはありませんでした。
各パーツを燃やした比較画像です。
同じく左側は標準品FGA21L-10B、右側が難燃性FGA21L-10B-V0です。
- シールナット部(66ナイロンUL94V-2と66ナイロンUL94V-0の比較)
- シール部(EPDMゴムと難燃シリコーンゴムの比較)
特にEPDMゴムは難燃材を使用していないので、すぐに燃え広がりました。が火から離すと燃えるのは収まりました。おそらく自然消火であり、自己消火ではありません。
難燃シリコーンゴムは原型を留めており、燃え広がることはありませんでした。
強力な火力で本体部も燃やしてみました~
ラインナップ
AVCケーブルグランド標準品は樹脂ACEF部は66ナイロン(UL94V-2)で、難燃材を使用した製品です。
更に要求が厳しい場合は、難燃ケーブルグランドとして、以下のラインナップがあります。
- PAV0:樹脂部66ナイロン(UL94V-0)・ゴム部EPDM
- V0:樹脂部66ナイロン(UL94V-0)・ゴム部シリコーン(UL94V-0相当)
- 5VA:樹脂部66ナイロン(UL94 5VA)・ゴム部EPDM
受注生産となりますが、最も燃え難く、且つ燃焼穴が発生しないUL94 5VA材を使用したケーブルグランドが対応可能です!これらはEV充電装置などエネルギー関連の製品で要求された事例があります。
難燃用シリコーンゴムは繰り返しの締付けや締め過ぎによる過度な負荷が加わることで破損の可能性がありますので、EPDMゴム製品と比べて適応電線サイズが狭くなっております。
ワイドレンジをお求めの場合は、樹脂部は難燃V0のPAV0を推奨いたします。
まとめ
エネルギー関連などでケーブルグランドにも難燃性を求められるケースが増えています。
世界中で安全安心への取り組みには上限が無いようです。AVCケーブルグランドが何かのお役に立てれば幸いです。
受注生産や品番選定などでお困りの場合はお気軽にご相談ください。